「終わり方」にその人が出る

『徒然草』第109段に「高名の木登り」という話があります。
名人が弟子に高い木を切らせるとき、
高い場所にいる間は何も声をかけず、
地面にさしかかる時初めて「けがをするなよ。気を付けて降りろ。」と声をかけたという話です。
高いところにいる時は、
誰でも自然と慎重になります。
しかし、地面が近づき安心した時こそ、
人は気が緩み事故を起こす。
この話は、
「最後こそ気を抜くな」という教えでもあります。

小学生の頃、先生から
「家に帰るまでが遠足やぞ」と言われた記憶はありませんか?
小さい頃から終わりまでしっかり意識をしておくということを教えられていたのですが、
皆さんもその時は何となく聞き流していたことでしょう(笑)

登山でも、やはり
下山の時の方が事故が多いと言われますし、
逆にホテルでは最後を意識し、「朝食」に最も力を入れる所も多いそうです。
朝食はお客様が滞在の最後に過ごす時間。
最後の印象が良ければ、
「また来たい」と思っていただけるからです。

人間関係においても
最初は誰でも丁寧に接しますが、
慣れてくると遠慮がなくなり、言葉も荒くなりがちです。
例えば、楽しかったはずのデートが、
帰り際のちょっとした一言で台無しになることもありますね。
だからこそ、帰宅前にいつもより優しくするだけで、
好きな人にまた会いたい!と思ってもらえる人になるのです。
ホテルの朝食と同じですね(笑)。

終わり方にその人が出る。
一つの出来事の最後に、その人の本質が現れるのです。

私の鑑定でも、
最後は必ず内容をまとめ、お客様の質問漏れがないか確認します。
安心して帰っていただけるよう、
言葉を整え、気持ちを整え、お送りします。
…とはいえ、
本当は最初から最後まで全力なんですけどね(笑)