信じ続けた時間が、未来を連れてくる

子どもが親を旅行に連れて行ってくれる日が来るなんて、
正直、想像していませんでした。
ましてや、かつて引きこもりの時期を過ごした息子が、
自分のお金で、私たち夫婦を招いてくれる日が来るとは。
人生は、本当に分からないものです。
小さいころから、育てやすい子ではありませんでした。
周囲の方に謝ってばかりの子育て。
先の見えない不安。
「この子は、この先どうなるのだろう」
何度も、胸が締めつけられる思いをしました。
高校を辞め、引きこもった4年間。
私たち夫婦はは多くを語りませんでした。
叱ることも、急かすことも、無理に外へ出すこともしませんでした。
ただ、食卓を整え、話したい時には耳を傾ける。
それだけを続けました。
それは「何もしなかった」のではなく、
「信じることを選び続けた時間」だったのだと思います。
引きこもりのご相談を受けていると、
皆さん同じ言葉を口にされます。
「このまま一生、変わらなかったらどうしよう」と。
その不安は、親だからこそ抱く、当然の感情です。
私も、何度も同じ思いを味わいました。
けれど、未来に繋がったものがあるとすれば、
それはただ一つ。
「信じ続けたこと」でした。
信じるとは、楽なことではありません。
揺れます。
怖くなります。
心が折れそうになる日もあります。
それでも、信じる。
その姿勢そのものが、子どもにとっての“居場所”になるのだと、
今なら分かります。
もし、過去の私に声をかけられるなら、
こう伝えたい。
「今は苦しいけれど、この時間は無駄じゃない。
信念を持って向き合って。
未来は、ちゃんと続いているから。」
あの時間があったからこそ、
今の息子があり、
今の私があります。
子どもは、時に、
親を育てるために生まれてくるのかもしれません。
そう思えるようになったことが、
この旅で受け取った、いちばん大きな贈り物でした。