借り物の身体を、どう使うか。

身体は、人生を運ぶための大切な器。
年末年始、我が家は大晦日から元旦にかけて弾丸移動でした。
東へ西へと走り回り、ようやく一息ついた帰り道、
回転寿司での出来事が、思いがけない気づきを運んできました。
寿司を食べていると、
口の中で「ジャリジャリ」という違和感。
次の瞬間、
「ガキッ!」
嫌な音とともに、
欠けた歯が出てきたのです。
数日後、歯医者さんで状況を説明すると、
先生はあっさりこうおっしゃいました。
「歯は道具ですからね。
長年使えば、こうなりますよ。」
その一言が、
妙に心に残りました。
道具――
確かにそうなのです。
今まで私は、
歯がどうやって失われていくのか、
正直なところ、あまり実感していませんでした。
けれど今回、
「ある日突然」ではなく、
「少しずつ、静かに」
使い込まれていくのだと知りました。
そして、実感したのです。
歯だけではありません。
この身体そのものも、
神様からの借り物なのだと。
分かっていたはずのことなのに、
どこかで
「当たり前に使えるもの」
として扱っていた自分がいました。
日々のケアを怠ってきたわけではありません。
それでも、
「なくなるかもしれない」
「壊れるかもしれない」
という意識は、薄かったように思います。
人はつい、
身体を酷使しながら
心や未来のことばかりを考えがちです。
けれど、
この身体があるからこそ、
悩み、考え、行動し、
人生を歩むことができるのです。
人生という旅を続けるための器。
それが、身体。
ポンコツ車には、
定期的なメンテナンスが必要です。
不調は
「止まれ」
「見直せ」
というサインなのかもしれません。
今年は、
この借り物の身体に、
もう少し感謝を向けながら。
大切に、丁寧に使いながら、
人生を進んでいこうと思います。